2025.09.01 更新
第208号 漏水
 7月末の水道メーター検診の結果メモに、印刷された「多水量のお知らせ」がホッチギスで付いていた。見ると平常の4倍の数値で、メーターが24時間回りっぱなし、つまり漏水しているという事。手書きでなく印刷メモなのでこのような事例が多い事がわかる。
 早速大工の甥に連絡して、床下見てもらったがどの部分、つまりトイレ,風呂、洗面台、台所、給水器のどこからの漏水かわからない。数日して甥の紹介の水道屋さんが来た。
同じ様に床下に潜り、水道管の配線状況と、かすかな漏水の音に耳を当てている。
数日後漏水場所特定と補修工事になった。
 床下に、かなり強力なライト持って潜り、漏水個所を探し当てた。風呂への配管が破損していると。長女が生まれた時この家を新築購入したので40年になる。さもありなん。
問題は破損配管とそのための風呂と洗面台の水回りをどうするか?
せいぜいここに住むのは今後10年位だろう。なので経済面第一に簡素な方法を選んだ。
風呂までの床下配管を途中から、部屋に上げシャワー中心にする。勿論シャワーの湯は風呂場に張れる。洗面台は水部分の青色のコックを止めた。赤色のお湯部分のコックで水は出るし充分。

 ざっと4時間の工事、初めての事なので興味もありその間ずっと見ていた。
もちろん工事中は邪魔にならない程度の質問と、作業の手際を褒めたりして、酷暑の中気分よく作業できる雰囲気作りに心がけた。
 そして、工事完了が見えだすと、大柄なその彼も気分が乗って来て、こちらの話題にもキチンと応対し始めた。
京都の上下水道の歴史から、最近各地の水道管破裂事故、そして鴨川・琵琶湖疏水事情。
話題は飛んでアフガンで用水路建設に命を懸けた中村哲医師、私自身のカンボジアでの井戸掘りカンパ活動などなど。作業の終わりが見えてきて、彼も余裕も出てきたのか段々と私の方を見る回数が増えてきた。彼には新鮮な情報ばっかりだったのだろう。顔中汗だらけだが、眼は驚きでカッと見開いていた。
2025.08.15 更新
第207号 「我は海の子」続編~「木の上の軍隊」
 前号脱稿時続編のつもりはなかった。それがこうなったのは…。
それは、映画のラストシーンで広がる海。主人公一家が育ち営みの海、敵艦の現れない、戦さのない静かな海。平和な未来を告げる海…って感傷に浸ったからだ。
映画の大半のジャングルの中での描写のままラストでは心は晴れない。それが沖縄の広大な海を最後に見て、鑑賞者の気持ちもホッとして、映画館を出れる。

 映画「木の上の軍隊」。
まずこのタイトルネーミングに感心する。これが「伊江島で終戦知らずに戦い続けた日本兵士」では全く面白くない。ネーミングの妙味がこの映画への興味を引き起こす。
沖縄戦・伊江島での事実に基づく井上ひさしの原作。島に残され終戦を知らない二人の兵士の、援軍が来ると信じ身を隠す2年間の樹上での生き様を描いている。
水、食料確保と言う生き続けるための工夫、日付を忘れず日記をつけ平常心保つ工夫、昼夜いつ勃発するかわからない戦への恐怖、それに耐えようとするはかない日本軍人の心構えなどが描かれている。それは飢餓直前で、米兵つまり敵の残飯を食えるかどうかなど、具体的シーンで表現されている。

 我々は、終戦後も南方で軍人として生き続けた横井庄一、小野田寛郎氏の事を史実として知っている。その生きぬく執念の一端も、この映画で垣間見た思いがする。
もう一つの史実は、舞台となった伊江島に住み、戦後反戦非暴力の農民運動を組織した阿波根昌鴻氏の「ヌティドゥタカラの家」。(小欄一部「千代野ノート」47号48号参照)

 さて戦争の実相は…。
遺族に渡された白木の遺骨箱の中は石ころだった話は数多く聞く。当然だ。激しい戦闘の現場で戦死者の氏名・数など分かるはずがない。
 80年前の大戦での日本軍戦死者の230万人の6割の140万人が餓死なのだ。これは本土近くの中国戦線なども入れての平均値で、南方では7~9割が餓死との調査学説が大半だ。勇ましく敵と戦いまみえての戦死でない。勇ましく敵艦に体当たりした特攻隊戦死者の数でもない。戦う以前の人間と言う生き物が自滅していく様だ。人間は水だけで3週間は生きられると言うが、食べ物無く、真っ当な水も潰える灼熱のジャングルの中を、重い装備品を背負いさまよい、病魔に侵され、援軍、支援物資もなく骨と皮だけになってやがて餓死していく。

 丁度この映画館では、1959年版「野火」も同時上映されていた。大岡昇平原作、市川崑監督作品。(リメイクの2014年版塚本真晋也監督作品でない)「人間の獣化」つまり戦死者の人肉を喰らう、餓死寸前の日本兵士を描く衝撃作と当時言われた。
気持ち悪くて観る気はしない。落ち込んで映画館を出る羽目にはなりたくない。
しかし「木の上の軍隊」より「野火」の方が史実に近いのだろう。
 戦争の記録に接するだけでも顔を背けるほどに怖いのに、現場にはとても居られない。
決して潔くとか、勇ましくとかでない、人間の心を無くした狂気空間が戦争なのだろう。
2025.08.15 更新
構想速報! アオザイ 作りませんか?
ベトナムの民族衣装・アオザイ。
  一般的な無地      
   7,000円前後
  刺繍カラフルな高級感  
   15,000円位から
  (採寸なしの)フリ―サイズ
  3,000円位から
         和風ワンピースへのアレンジ可能
カタログ見本で選定し、採寸しベトナム現地で制作。
2~3週間で完成、郵送着で支払い。
 ☆詳細追ってご紹介します。
「ムービー軌跡」
千代野基金

- CafeLog -