2023.10.15 更新
第164回 「この街で」
 地域の掲示板などで「高齢者がいつまでも安心して暮せるこの街に」など、笑顔の高齢者の写真付きのポスターは多く見る。辛口の人は言う「『差別をなくそう』と同じで、大体地域の広報板は実態の真逆」と。言われればそうかなあとも思える。

 そんな中、このタイトル曲の由来には驚いた。
それまで、「誰もいない海」のトワエモアのCDでは耳にして、同じメロディの繰り返し、歌詞も自然体ですぐ覚えられる単調な歌との印象は持っていた。それが実は…。
 2000年愛媛県松山市の「21世紀に残したいことば」で市民から2000点以上の作品が寄せられ、その松山市長賞を受賞したのが「生まれ、恋し、結婚し、母になったこの街でおばあちゃんになり、おじいちゃんになった貴方と歩きたい」という作品で、5年を経て「この街で」という歌が誕生した。
 それは、2005年同市での「日本ペンクラブ・平和の日、松山の集い」
この作品に感動した新井満さんと三宮麻由子さんが先の言葉に即興で曲をつけ、歌として披露したという。
(新井満さんとは「千の風になって」の作詞作曲家。2006年のNHK紅白歌合戦で秋川雅史が歌い、大ブレイクしたのは有名)
その後、地元TV局がこの模様を放送したことで、全国各地から問い合わせがあり、新井氏は自費で「この街で」を録音し、その原版を松山市に寄贈。以降この曲は、中島啓江、岡本知高などの実力者や、先のトワエモアなどのポピュラーシンガーなど10組がカバーする松山発オールジャパンの曲となっていった。
その神髄はメロディーの単調さだけでなく、単調な詩に、現実の地域で生き続ける喜びと難しさをも包み込むやさしさにあったようだ。

 同じような現象は、卒業式定番にもある。
1991年埼玉県の中学教諭と校長のコンビによる「旅立ちの日に」。
今では、クラシックの「仰げば尊し」、ポピュラーの「贈る言葉」を抜いて、全国の中・高校で歌われているという。つまり、目の前の生徒たちが歌いたい、気持ちにピッタリなのは「仰げば尊し」より「旅立ちの日に」であり、卒業式の歌の形式を重んじる人々は、この現実を認めねばならない。

 これら市民共感のさざ波が静かに広がり、既成の固定概念を崩していく様は、何とも痛快な話ではないか。いわゆる素人の一言のつぶやきに、後塵を拝したプロが目をつけ、急ぎ全国展開していく様が目に見えるよう。
この二つの曲が初めての方、パソコン広げ音量アップしてぜひ聴いてください。
私はその間、本ブログもその足元に近づける様、爪の垢を煎じておきますので。
2023.10.15 更新
腑抜けNO会、ヴォーリーズの世界探訪(10/28)
2023.10.15 11:07 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 腑抜けNo会
2023.10.15 更新
ベトナム料理作る会
ベトナム料理を作ろう
ベトナム留学生の指導で、日本人の我々が四苦八苦してベトナム料理作って、「さあ〜、食べよう」の段階。でも「これ何?どうして食べるの?」と不安な顔々。
「ムービー軌跡」
千代野基金

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