2026.01.01 更新
第216回 「喪の旅」出版記念講演会
久しぶりに私が力を入れた企画だった。
第一に、2018年発足の「腑抜けNO会」が、昨秋の朝日新聞全国版紹介が同種の事例と共に一冊の本として記録される事。これは、2016年皮肉にも妻の急逝直前の「私と介護」と同様だが、当時の介護を17事例の著名人の中の一つで扱われ、それら事例も庶民の生の苦しみにはもう一つの文章が多かった。
第二に、編著作者自身が、急逝の夫の事を正直に書き、その苦しみの中から導き出したワード「喪の旅」が非常に新鮮で、そこから新聞連載となった事。
そしてついには、この編著者は新聞社を退職して、この道=グリーフケア=「喪の旅」研究者の道を選ぶ覚悟に感服した事。つまり新聞記者自身の余りある手持ち企画の範疇から、自らの今後の生き方を選択した驚き。
第三は、著書内29事例中同じ境遇の人々を組織化、つまり伴侶を失った個人が集い集団化、グループ化したのは、東京とこの我々の二つだけ。つまり関西では唯一という事。
第四は、出版後編著者の全国初講演会だと言う事。
なので、我々「腑抜けNO会」の初主催企画として、京都の関連団体個人に呼びかけた。
それは今回企画を機に、我々を知り、賛助会員にも発展したらよいとの気持ちもあった。
時は、昨年末12月20日。京都近郊からも地の利が良い京都駅近くで、人口庭園の一角。
この日程設定も上手くはまった。今夏この話を聞いた時は今秋出版予定が、現実的には遅れ最終的には11月21日販売日となり、丁度その1ヶ月後の講演会と絶妙のタイミングとなった。その兆候は、本の表紙が明らかになった11月中旬、会員向け案内の反応でジワリと感じ始めた。例えば8年前「会」発足以来、多忙な会員の一人で、年1回の会費振込用紙備考欄にはよく「中々参加出来ないが、いつも気にかけています」と言う人が、ついには参加するとか。京都市社会福祉協議会で知った方々など、その人々の琴線に触れたのだ。
かくして、当日。
会員19人、一般の方19人の計38人。この本を当日テキストにしていて、この日に参加者は初めて見るので当然と言えば当然だが、会場で16冊普及。この普及数は翌日講師からのお礼メールで「11月中旬に本が出来た後の、大阪兵庫での100人規模での講義で10冊売れるかどうかだった」。なので「40人規模で16冊」は新記録なのだろう。
もう一つの驚きは、新聞事前告知記事での反響。地元紙は数行の行数物で全く反応なし。
だが、講師出身新聞は、本の写真入りもあり1Ⅰ人の参加希望の反応!ビックリした。
講演は、伴侶を亡くすと言う同じ体験者が安心して話せる場は、独りでなく今後の生きていく知恵になる。そして時間と共に変わっていく悲しみの質は変わっても、亡き人とのつながりを持って生きていく。その力を本人が持っていると強調された。
その後の会場からの声も活発だった。得に男性から「男は女に比べて弱い。一人の夕食は寂しい」、「亡妻が出てくる夢が楽しみ」など率直な発言に、講師も感動されていた。
その証拠はその夜、私の元に会員、一般参加者から数本のお礼のメールが多く入った事でも明らかだった。
新しい年に、希望の持てる企画だったと言える。





