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特別企画連載
自然・人間ふれあいの旅 日本一周自転車ツアー完走記 (12)

武田万徳(久御山町在住) 

 東京を出発!信州路を行く
 京都を出て東京まで26日間、北陸・東北・北海道・関東を4400キロで走破。そしてこれから西へ向かって、中部・近畿・中国・四国・九州、そしてできれば沖縄まで行きたいが、帰るのはいつになるのかわからない。
 47都道府県庁を全て訪問する予定なので、さいたま市、前橋市を経て長野市まで信州路のきつい山道を行く。
 10月30日に世田谷区の娘宅を出発。荒川生健会で交流会をしたあと長野に向けて走る。さいたま市には午後3時過ぎに

        信州の山なみ
到着。次の日に前橋市を過ぎ4時通ぎに確氷峠の下まで来る,まだ明るいがかなりきつい峠だど聞いているので無理をせず、山の中でテントを張る。夜になるときびしく冷え込んでくる。あまりに寒いので、荒川生健会でもらった長袖シャツを着込む。(長袖はジャージしか持ってなく、北海道も半袖でとおしてきた)
 朝5時に寒さで目が覚める。何だか寝袋が濡れている。雨でも降ったのかなと外を見るがいいお天気だ。テントの中をよく見ると、寒さで閉めきって寝たので、霜でテントがびしょ濡れになっている。このままではたためないので、タオルでふいて木の技にかけて乾かす。これでは寒い時や山の中でけテントは張れないなと思いながら9時に出発。

 碓氷峠を越えて軽井沢へ
 軽井沢へは、旧道と有料道路と2つの道がある。旧道から行くつもりだったが、通行止めになっていて、自転車が通れることを確認してから有料道路から行く。
 ここは汽車でも後ろから押さないと上らないというほどきつい坂だ。最初からローギヤで立ちこぎして坂を上って行く。たしかにきつい坂だけど風は無風で、雨と風のすごかった知床峠と比べると楽に感じる。それでも汗がふきだすが、止まってしまうとよけいきつくなるので、ゆっくりでもペダルをこいで上って行く。
 1時間ほど行った所で休憩。かなり上ったようで山がきれいで、下の町が小さく見える。あまり休むと動くのがいやになるので、水を飲んで5分ほどで出発する。
 えんえんと続く坂をこぎ続け「11時前に頂上の食堂に到着。標高956メートルとある。「やった」と思うがここは信州、日本一
の山国だから、坂はいくらでもあるはずだ。喜んでばかりいられな軽井沢は高原の別荘地らしく、空気がすんでいて町がきれいだ。歩道と合わせて自転車専用道もある。レンターサイクルでサイクリングをしている人もいる。

 長野県庁で田中知事室を見学
 今日は上田市で宿をとり、荷物を置かしてもらい、身軽になって国道18号線を長野市に向かう。県庁に着くと、玄関から入ってすぐの1階にあるガラスばりの知事室を見る。田中知事は不在だったが、テレビで見たとおりの知事室だ。私は今回のツアーで47都道府県の全ての県庁をまわったが、こんなに身近にあった知事室はここだけだ。他の県庁は、知事に面会を申し入れても会ってももらえないし、たいがい上階にある知事室にさえたどりつけなかった。
 田中知事には会えなかったが、このガラスばりの知事室を見ただけで、住民に顔を向けた政治姿勢と人柄がうががえた。
 長野県では不当な知事不信任により今、知事選挙の最中だが、「脱タム宣言」をめぐる争点と共に、住民にとってわかりやすい県政が問われているのではないだろうか。そういう点でこのガラスばりの知事室はわかりやすい。県民が知事室を訪れ直接対話する「ようこそ知事室へ」や「どこでも知事室」、また1万人近い県民が参加した「車座集会」など、わずか2年たらずでも県民に開かれた県政を進めてきた田中さんはもっとも知事にふさわしい人であり、田中知事の再選で、住民主人公の県政をさらに発展させてほしいと心から思い、エールを送ります。

 信越放送のラジオに生出演
 翌朝宿を出て上田城を見学していると「どこに行くんですが。荷物をいっぱい持って」と声かけられる。声をかけたのは、信越

     上田城で筆者
放送のレポーターの小野さん。「日本一周しているんです」と言うと、驚いていろいろ聞いてくる。そして「私は天気予報のレポーターで本番を待っているんですが、時間があれはラジオで紹介するので一緒に出てもらえませんか」と思いがけなくもラジオ出演の話。これも話のタネとOKして本番を待つ。
 本番が近ずくとイヤホーンをはめ、マイクを持った小野美智子さんはかっこいい。そして時間がきて「レポーターの小野さん」とアナから呼びかけられると「は〜い。小野です。今日は上田城で日本一周している人と会ってしまいました。京都から来ている武田さんです」とインタビユ‐される。ドキドキしながらこたえる。本番はあっという間に終わってしまったが、長野・山梨・静岡あたりのラジオで何万人の人が聴いたのだろう。

 雨中の上り下りで首を痛める
 上田市から長野市まではわりと楽な道だったが、上田から野辺山、清里への国道141号線はきびしい上りが続く。清里の峠では標高1300メートルを越える。甲府市へは下りで楽な道だったが、清水市までの富士川沿いの山道は上りと下りが交互に続く。
 お天気がよければ富士山が見えるはずだが、あいにく甲府市から雨が降り出し、だんだん強くなってくる。加えて寒さがきびしくなってきて、手袋をはめていても手がかじかんでくる。そのうち暗くなってきて、ずぶ濡れになって走っていたら、首が痛み出す。首が痛く前を向けない。といえ止まって休むわけにもいかない。山の中で雨を避けて腰を下ろす場所がないからだ。
 痛みを我慢して下を見たまま走ったり、首を立てたまま走ったり工夫しながら走るが痛みはますます激しくしくなってくる。
 暗くなってから、清水市までの道のりはとても長く感じた。清水市の民宿に着いたのは9時過ぎ。この時痛めた首はその後の道中でも悩まされ、無事帰還した今でもだるく、日本一周の勲章としておつきあいさせてもらっている。



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