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市町村合併を考える 
    
   突如、7市町の合併準備の任意協議会の立ち上げへ。
  住民の声を無視、首長の独断で


 府南部の宇治、城陽、久御山、八幡、京田辺、井手、宇治田原の7市町の合併問題が急浮上してきました。京都南部地域行政改革推進会議の宇城久・綴喜地域合同分科会の座長である久保田宇治市長は、合併検討のための任意の協議組織を早急に立ち上げることを各市町長に文書で呼びかけました。9月議会の閉会を待って、発足させようというものです。
このよびかけに対し、八幡市長は、「宇治市長から任意の協議組織結成のよびかけがございました。私も参加してまいりたい」とし、井手町長も参加を表明しました。
 9月9日の記者会見で久保田宇治市長は「地域の将来像を示すことで、こうあるべきとの案を示していくことが我々首長の責務」などとのべました。しかし、「合併の是非を決める住民への判断材料の提供はできておらず」と認めざるえない状況で、議会や住民の意見も聞かずに合併を前提とした任意協議会の設立を首長の独断でおこなうことなどとんでもないことです。

 任意協議会の立ち上げは合併を住民に押付けるためのもの?

 7市町が合併することが前提のものでなく」と宇治市長は「よびかけ」の中でのべています。しかし、相楽や全国の状況では、任意協議会の立ち上げは合併を住民に押付けるためのものでした。、
 相楽でも最初は「合併まずありきではなく」としていましたが、協議内容は、はじめから合併の是非ではなく7町村合併をすすめる協議で、コンサルタントに7町村合併計画案を委託し、住民の声を聞かずにどんどんすすめました。あまりにも性急なとりくみに住民や関係者から意見が噴出、住民の批判は、日に日に高まっています。
 すでに木津町議会は7月に全員協議会で「7町村合併は難しく時期尚早」を確認しました。

 住民の意向は押付け合併ノー。府のアンケート結果で明確

 今年3月に府の合併をすすめるための組織である市町村行財政研究会がおこなったアンケートでのこの南部地域の住民の意向は、宇治市長がすすめようとしている合併が(すぐにでも必要だと思うは)わずか6,4%でした。逆に合併は必要はないが府下のどの地域よりも多い28.1%でした。

 7市町の合併の問題点

 地方自治法では「安全、健康及び福祉を保持する」が地方自治体の役割であることを明記しています。7市町の合併でその役割がはたせるのでしょうか。くらしと自治にかかわる重大な5つの問題があると考えます。

 1、住民サービスの低下と負担増の押付け
 幹事会報告の資料編はデメリットとして「住民の生活実態やニーズに即した、きめ細かな行政サービスが行き届かなくなる」「公共施設の整備格差がさらに広がり、改良の遅れている地域の道路が取り残される恐れがある」「小中学校の再編・統廃合の検討」「国民健康保険料負担の増加」「介護保険の負担の増加」などあげています。行政サービスの低下と負担増、まさに住民のくらし直撃ではないでしょうか。
 すでに合併した全国の例をみれば、デメリットの指摘どおりのことになります。施策の水準も低い方の自治体に合わされます。
京田辺市の小学校入学までの医療費の無料化、住宅助成制度、八幡市の介護保険料、利用料の減免など住民と関係者の努力でつくられたくらしを守る制度もなくなる恐れがあります。

 2、住民自治、政治参加の後退
 資料編では「地元議員が選出されなくなり、地域の意見が反映されにくくなる」としています。井手町や宇治田原町から議員がでなくなる可能性もあります。

 3、住民の利便性の後退
 資料編では「役場が遠くなったり、身近な公共施設が統廃合されるなど住民の利便が低下する」としています。「支所で用を足せる」との意見もありますが、支所はあくまでも支所。業務には限界があり遠方の本庁に行かざるをえません。

 4、周辺部の停滞と過疎化
 合併になれば周辺部は停滞し、過疎化がすすむのは、昭和の大合併で全国でおこったことです。

 5、長期的には合併すれば財政が悪化に
「合併は財政基盤を強化する」といわれますが、実際には「事業の実施方法によっては後年度の公債費負担が増大し、財政を圧迫することが懸念される」と報告書も述べざるをえない状況になります。合併では箱物の公共事業がふえ後年度の負担がふえ、そのしわよせは住民サービスの低下、財政の悪化になります。尚、メリットでさかんに強調される広域化の利点についても、別に合併しなくても行政努力で今でも充分可能なことです。

民意をふみにじり、なぜ合併をいそぐのか。
住民に背を向け、府に「最大限の助言」を要請


 久保田市長自身も今年2月におこなわれた京都南部の広域合併を視野に入れたシンポジウムで「今までは合併促進のアメばかりが示されてきたが、今年になってムチも出てきた」と懸念を示し、「財源問題の後回し」に強い不満を表明していました。
自身の発言を否定し、民意をふみにじり、なぜ合併をいそぐのでしょうか。この時期に突如、任意協議会の立ち上げを発表したのはなぜなのでしょうか。
 7市町合併は、住民のくらしや福祉、地方自治を守り発展させるのではなく、国や府の合併の押付けに屈したものといわざるをえません。宇治市長の呼びかけでは「京都府にも私どもがおこなおうとする作業についての最大限の助言や協力をお願いしたい」としています。
 いまこそ、国や府からの押付けの7市町合併をやめ、住民が住民の立場から、くらしと地方自治を守るため、創意をつくすときではないでしょうか。(O)

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