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平城京をトンネルから守るためにあなたのお力を

 さて、平城京を高速道路京奈和道のためのトンネル掘削から守る運動についての投稿を許して頂いて有り難うございます。詳しくは私のHP(http://www3.ocn.ne.jp/~nsih2001/ )をご覧いただきたいのですが、ことは日本の文化を守るのか、あくまで経済を優先させるのかの、日本の政治情勢の最先端を行く問題です。
 まずは問題の概要をお伝えします。
 
 平城京とは
 奈良・平城京は、7世紀末からの藤原京を経て、710年に奈良市に遷都された、律令国家の中心としての本格的な都城でした。中国・唐代の長安城を模したといわれます。
 当時は、政務などを司る平城宮は、京域の北の端の中央にあり、宮跡の朱雀門から京域の南の端、九条大路の羅城門まで、幅70mの朱雀大路が真っすぐに延び、西側を右京、東側を左京と呼んでいました。左京には、外京と呼ばれる張り出し部が、今の奈良公園中央辺りまで広がっていました。京城は、大小の道路で碁盤の目のように整然と区画されていました。
 平城京は784年、京都・長岡京へ遷都。以後跡地が田圃だったことに加え、先人たちの努力もあり、今日まで、歴史的遺産や景観、奈良らしい風土は、基本的に保全、継承されてきました。
 平城宮跡は1998年、東大寺や春日山原始林などとともに「古都奈良の文化財」の一つとして世界遺産に登録されました。国の特別史跡である宮跡は、地下に眠る“土と木の遺跡 ”が「歴史的考古学的に価値が高い」として、この種の遺跡としては日本初の登録となったのです。これも、戦後2度にわたる国民的保存運動でほぼ全域が保存された結果によるといわなければなません。古代国家から律令国家への変換点だったこと、そして当時の庶民の暮らしぶりが木簡という文字文化として残っていることから、当時の庶民の暮らしぶりが分かる日本で唯一の大切な遺跡なのです。
 

 ここに高速道路が

 ところが今、国は、この平城宮(京)跡に、時速100キロもの高速道路をトンネルを掘って通そうとしています。国は、そのために、文化財関係者をいれない「地下水検討委員会」によって、トンネル案でも地下遺構には影響がないとの答申をさせ、現在は文化財検討委員会で審議中です。その委員会の委員長はトンネルは大丈夫との答申の中心を担った地理学者が座長、委員の半数は氏の意気のかかったメンバーという、トンネル案にお墨付きを与えるための委員会というのが実状です。始めにトンネ
ル案有りきというのが見えみえなのです。
 トンネルが掘削されると、最も危惧されるのが地下の膨大な遺物・遺構です。地下水の変動、移動、枯渇などで、損傷、腐壊される危険があるからです。
 古代、貴重な紙の代わりに薄くて細長い木の板に、さまざまなことを墨書した“歴史の証人”木簡は、空気に触れるとたちまち風壊してしまうというのが常識になっています。木簡は、豊富で安定した地下水があってこそ、保存が可能ですが宮跡を含む
京域全体で約16万7千点が発掘されています。発掘は宮跡でもまだ3割、他にどれほどあるか計り知れません。学者によっては科学の力がもっと進むまで地下に埋蔵して置きたいという声もあるぐらいです。
 地理的な問題としては、平城京の地層は、完新世の沖積層です。地球の歴史からみると、もっとも新しい地層であり、砂、砂利、粘土などが積もって構成されているといわれます。万が一、ここに地下高速道路が通れば、地下水位の低下、並びに東のやまとあをがき山地からの地下水流の断絶など、重大な悪影響は避けられません。
 奈良市も「(宮跡)遺跡が脆弱な土と木で構成されているため、その保存には特に留意し、長期間にわたる、試験研究及び調査研究に基づいた遺跡の保存整備が行われている」(市発行『世界遺産/古都奈良の文化財』)と指摘しています。
 また、文化財や自然、人間に対する大気汚染は一層、深刻になり、高い排気塔などは、奈良らしい景観と風土を著しく破壊するでしょう。
 
 “疑わしきは通過させず ”

 今日、16万7千点もの木簡が出土していることは、なによりも1200年の間、人工的な破壊行為が行われてこなかったからにほかなりません。
 私たちは「疑わしきは通過させず」こそ、最善の方法であり、将来に悔いを残さない唯一の選択だと確信します。
 世界遺産条約は、高速道路のような公共事業などで、世界遺産を破壊、損傷することを厳しく禁じています。そして危機に瀕した場合は、撤回を勧告し、“危機遺”に登録、さらには登録を抹消するとしています。
 すでにユネスコ(本部=フランス・パリ)は、1998年、イラン政府が中部の歴史都市、イスファハンにおいて中心広場の地下に高速道路を通そうとしたとき、条約にもとづき撤回を勧告しています。
 ユネスコは、平城宮(京)跡問題でも、地下水の変動で地下遺構、遺物に回復不能な損害が生じる可能性があるとして、事態を重視、日本政府に対し、すでに調査を始めています。
 
“やましろ ”をご覧になっている京都南部住民交流ネットワークのみなさん
 平城宮跡は、世界に二つとない“土と木の地下遺跡 ”です。世界人類のかけがえのない共有財産です。また、未来の子供たちからの貴重な預かりものです。
 国土交通省・奈良県・奈良市に対して意思表示するため署名活動をしています。よろしければ、あなたの思いをお寄せ下さい。風前の灯火となっている平城京の埋蔵文化財を守るために、どうぞあなたのお力を添えて下さい。


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