区議会だより

2010年第4回定例会

2010年 第1回第2回第3回



【横山幸次区議】

  1. 「地域主権改革」は、国の福祉などへの最低保障責任を解体するなど、住民福祉の機関としての地方自治体の弱体化につながると考えるが区長の認識を問う
  2. 失業などからくらしを守るために
    1. 住宅手当緊急特別措置事業の給付について、国保料、住民税徴収を猶予するとともに、失業給付までの生活費について区独自に「生活つなぎ資金」や区内協力事業所への補助、応急資金の条件緩和など検討すること
    2. 仕事・生活サポートデスクは、体制の強化、プライバシーが守られる相談コーナー設置、相談の後追いや他制度につなぐネットワークをさらに強化すること
  3. 区内産業振興とワーキングプアを生まないための区の契約のあり方について
    1. 「景気対応緊急保証」の来年3月打ち切りを止めるよう国に求めること
    2. 区の公共工事や業務委託などに対する「雇用環境を確保する区独自のルール」について、賃金保障を柱にするとともに、早期に実施すること
  4. 高齢者が人間らしい人生を送るために
    1. 区として高齢者の実態調査を実施するとともに、一人ぐらしを中心に社会的に孤立した高齢者の支援を強化すること
    2. ふろわり200の回数を拡大するとともに、カード化を検討すること
    3. 区として最低生活費以下の高齢者の保険料免除、重度要介護高齢者への福祉手当の支給などの負担軽減に一歩踏み込むこと
  5. 子どもの貧困を許さず、どの子にも豊かな育ちと学びの保障を
    1. 幼稚園、保育園の増設が必要になっていると考えるが認識を問う
    2. 区立町屋幼稚園などの3歳児弾力受入についてクラス編成、教員配置についてどのように考えているのか、また次年度以降の見通しを明らかにすること。
    3. 就学援助の基準緩和を行うこと。また小中学校の授業に直接関わる教材教具について全額公費で負担にするとともに、給食の公費負担を拡大すること
    4. 18歳まで子ども医療費無料化を拡大すること
  6. 国民健康保険について
    1. 来年度の国民健康保険料の値上げは絶対に行わないこと。賦課方式の変更に伴う保険料の負担増や経過措置とその財源など区長会で決定する前に区民の前に明らかにすること
    2. 政府の進める国民健康保険の「広域化」は、自治体の一般財源投入を止めさせ際限ない保険料値上げと受診抑制につながると考えるが認識を問う
  7. コミュニティバス導入やバリアフリーなど中心にした福祉のまちづくりについて
    1. コミュニティバスは、通常の交通手段というだけでなく「買い物難民」「通院手段」など福祉バスの視点も入れ将来を見据えた計画として区内全域で導入すること
    2. 高齢者、障害者などの福祉施設が多く存在する町屋地域の隅田川沿い(町屋5,6,7,8丁目)をバリアフリーの重点地区とし、コミュニティバス、道路の段差解消、歩道整備など「福祉のまちづくり」として面的に整備すること
  8. 町屋駅、日暮里駅、南千住駅などの区営自転車駐車場の一時利用2時間以上200円や定期利用料金の値下げを行うこと

《質問》

 私は、日本共産党荒川区議会議員団を代表いたしまして、質問を行います。
 質問の前に、私は、北朝鮮による韓国・延坪島への無法な砲撃、軍事挑発行動を厳しく非難するものであります。北朝鮮も韓国領と認め、多数の民間人が住む島への無差別攻撃であり、国連憲章、朝鮮戦争の休戦協定、南北間の諸合意にも反するもので、絶対に許すことはできません。米韓軍事演習に発展していますが、今後、関係各国政府が平和的・外向的努力により解決することを強く求めるものであります。
 それでは、質問に入ります。
 国民が自公政権退場の審判を下して、民主党政権になって一年三カ月を過ぎました。政治を変えたいという国民の願いはどうなったでしょうか。高校授業料無償化など実現しましたが、後期高齢者医療制度廃止や労働者派遣法抜本改正は先送りだけでなく、骨抜きや改悪、都政での築地市場の豊洲移転容認など、公約違反の連続であります。
 また、民主党政権の地域主権改革は重大です。自公政権時代の地域分権改革は、道州制を見越した反強制的な市町村合併による住民サービスの低下、災害時の緊急対応の困難や集落の消滅、新自由主義に基づく民営化、規制緩和の推進、官製ワーキングプアをつくり出すなど、住民の命と暮らしを守る地方自治体の弱体化を進めてきました。
 民主党政権は、地域主権改革一括法案、地域主権戦略大綱など決めましたが、前政権時代の地方分権改革推進会議を引き継ぎ、財界などの要求を装いを変えて推進するものばかりであります。例えば、保育の国としての最低保障基準を廃止、直接契約などは、既に前政権で打ち出されて実現しなかったものであります。また、補助金を一括交付金化していこうということについては、既に二〇〇四年、当時の小泉内閣のもとで、公立保育園の運営費が一般財源化され、各地で財政難を理由に廃園や保育士の非常勤化が加速いたしました。それを今度は、財源対策として全面的に進めようとしているものであります。
 憲法に基づき、国、自治体がすべての国民に生活保障を実現する責任の放棄につながるものです。地方の独自性と言いますが、ナショナルミニマム・最低基準はその基準を超えることを自治体に求めており、自主性を縛るものではありません。また、首長、執行機関と議会、議員の融合を打ち出すなど、議会の役割の弱体化を推進する方向も打ち出しています。
 民主党政権が進める地域主権改革は、国の福祉などへの最低保障責任を解体するなど、住民福祉の機関としての地方自治体の弱体化につながると考えますが、区長の御認識を伺います。

《答弁》

【西川太一郎区長】
 横山幸次議員の多岐にわたる御質疑がございましたが、私からは、地方分権についての御質問にお答えさせていただき、残りのものにつきましては、関係理事者から御答弁を申し上げさせていただくようにいたしました。
 さて、我が国の歴史を振り返りますと、中央集権システムが明治以降の文明開化や殖産興業、いわゆる「坂の上の雲」を追いかけた時代には、まさに「坂の上の雲」というのは、模範にすべき欧米先進国だったわけでありますが、こういう時期には非常に大きな推進力になりましたし、さらに戦後の復興や高度経済成長期に国全体で一丸となって事をなしていくというケースも、これまた、この中央集権システムは大きな推進力となったことは疑いのない事実であります。
 しかし、今日の豊かな社会を形成するのに寄与してきたこのシステムにも制度疲労が見られ、限界が感じられる昨今であることは、お互いに認識を一にいたしているところだというふうに存じます。すなわち、社会や経済の構造が大きく変化し、成熟社会を迎えたということが言えなくもないわけでありまして、また、ある意味では、日本自体が「坂の上の雲」になっておりまして、よその国が坂を一生懸命上がっているということも感じられるのであります。
 そういう中で、一番大事なことは、国民、東京でいえば都民、そして荒川区でいえば区民、御一緒の方であります。国民であると同時に都民であり、同時に区民でいらっしゃるわけですが、こういう方々を一番身近な自治体として責任を持って幸せになっていただこうと思っている、その思いの強いところに一番大きな権限を与えるべきだと、そう思っております。その権限が縛られていて、思いばかり強ければ、お互いに議会の先生方も私たちもストレスを感じるわけでありまして、そこらを私は政府に期待いたしているわけでありますが、こうしたことについて、いわゆる制度の壁というものを破り、本当の地域主権というものを権限と義務と責任が同じ量であるという組織論の原則に立って、まさに今、申し上げたような責任を一番強く自覚している場所にこの権限を大きく、また、それに伴う財源も大きく分けていただきたいというのが私の基本的な考えであります。
 現在、しかも、これは、私はいけないと思うのは、国政の場だけ議論している。形式としては、全国市長会とか、全国知事会に意見を聴するような形になっているけど、それはあくまで形式であって、これに対して、思い切った意見が反映できない仕組み、これを変えていただきたいというふうに国にしっかりとお願いしていきたい、こう思っているところでございます。
 こうした地方自治の根幹になる問題につきまして、依然まとまっていないこの時期に、基礎自治体の一つひとつがしっかりと声を上げ、住民の皆様の一人ひとりのお声を聞き漏らすことがない、きめ細かく温かい公的サービスを提供することができるように努力していきたいと思っております。
 今後とも、国の審議の動向を注視し、必要がございますので、私どもは特別区長会や全国市長会をはじめ、あらゆるルートを通じて、国に対し、強く働きかけてまいるとともに、新たな地方自治についても積極的に提言し、国をリードするという気概を持って取り組んでまいりたいと考えております。
 冒頭申し上げましたように、これ以外の御質疑につきましては、関係理事者から御答弁を申し上げます。

《質問》

 次に、暮らしと雇用を守る問題について伺います。
 今回、区の補正予算で約十億円の生活保護費を増額しましたが、この二年間で生活保護受給者のうち、二十歳から二十九歳で約二倍、三十歳から四十九歳の方が一・六倍と急激に増加しています。いわゆる現役世代の増加が特徴的です。これは失業者の増大、不安定雇用、ワーキングプアの広がりのもとで、雇用保険など雇用のセーフティーネットが機能していないあらわれでもあります。そこで、一定の緊急対策が国や都でつくられました。
 区を窓口とする国の住宅手当緊急特別措置事業は、荒川区でも福祉推進課に生活・仕事サポートデスクを設置し、この間約一千四百件の相談があり、六十五人が住宅手当を受給、その中で社会福祉協議会が窓口になっている生活安定雇用事業につながったのが三十五人だったようです。住宅手当緊急特別措置事業は、失業などで離職して住宅を失うか、失いそうな場合で、就労意欲がある方に住宅の一定額の家賃を支給するものであります。その後の生活費は、生活安定応援事業で生活費の貸し付けなどを行うことであります。ところが、失業給付資格のある方は除かれています。そのため、自己都合退職扱いの場合、結果的に生活保護に頼らざるを得なくなってしまいます。失業給付が出るまで三カ月間の猶予期間があるのに対象になりません。しかし、失業給付やスキルアップのための職業訓練とその間の生活費など雇用保険などのセーフティーネットの機能が不十分なのです。就労意欲を十分生かすための施策が必要です。
 また、メンタルな問題を抱え、就労意欲を喪失した方などもおられます。区内企業に助成金など支給して、福祉就労的な対応も考えられます。相談者の多さや実態の大変さがあっても、対応するメニューがなかったり、不十分なわけで、国などに対して改善を強く求めることも必要です。同時に、区独自であらゆる知恵と手だてを使った対応が必要です。
 そこで、住宅手当緊急特別措置事業の相談給付に当たって、国保料、住民税徴収を猶予するとともに、失業給付までの生活費について、区独自に生活つなぎ資金や区内協力事業所への補助、応急資金の条件緩和など検討することを求めたいと思うのであります。お答えください。
 サポートデスクには、メンタルの問題を抱え、長時間の相談になるケースも少なくないようです。また、相談時に多くの個人情報が来訪者にも筒抜けの状態です。現在の態勢は、ハローワーク経験者を含む非常勤二名でありますが、相談者が多いことや、保護課など福祉事務所関係、社会福祉協議会などにつなぐため、随時正規職がフォローに入っているようであります。
 仕事・生活サポートデスクの体制の強化、プライバシーが守られる相談コーナーの設置、相談の後追いや他制度につなぐネットワークをさらに強化することを求めます。お答えください。

《答弁》

【和気剛福祉部長】
 福祉にかかわって、七点の御質問にお答えいたします。
 初めに、住宅手当についてでございますが、区では、現在、平成二十一年十月に始まりました国の住宅手当緊急特別措置事業に基づき、離職中で住宅を喪失している方々に対し、賃貸住宅の家賃の支給を行っております。
 離職中の住宅困窮者は、家賃の支払いが困難であるほか、生活費・転居費の捻出も難しいことを踏まえ、福祉推進課の相談窓口では、住宅手当の受付にとどまらず、個別に経済状況の把握を行い、関係機関へ引き継いでおります。
 さまざまな御提案をいただきましたが、生活費・転居費に困っている方には、総合支援資金の貸し付けを行っている社会福祉協議会を紹介しております。また、国民健康保険料や住民税の納付が困難な方には、国保年金課や税務課窓口において、個別に納付相談を行い、納付の猶予や減額などの対応を行っております。
 今後も、離職中の住宅困窮者へ手厚い支援を行うことができるよう、関係各課の窓口において、一人ひとりの状況に応じたきめ細かな相談を受けつけてまいる所存でございます。
 次に、仕事・生活サポートデスクについてお答えいたします。
 区では、現在、福祉推進課窓口におきまして、仕事・生活サポートデスクを開設し、生活や就労に関する区民の相談を受け、相談者の意向や希望を確認した上で、最も適した機関への引き継ぎや制度の紹介を行っております。
 二十一年十月には、住宅手当緊急特別措置事業の開始に伴い、専門相談員を配置しており、本年九月には相談員を一名増員して体制強化を図ったところでございます。このほか、限られたスペースで相談を受け付けておりますので、相談者への配慮といたしまして、今後、スペースの確保につきまして、検討してまいりたいと考えております。
 また、相談を受け付けて、社会福祉協議会やハローワークなどの関係機関へつないだ後も、深刻なケースにつきましては、対応結果の報告を受けておりますので、これまで以上に関係機関との連携が図れるよう体制の整備を検討してまいります。

《質問》

 次に、区内産業振興と区の契約のあり方について伺います。
 一度失われた産業集積を取り戻すことは、極めて困難です。集積を守り、生かしつつ、新規の産業を興すことが重要です。
 さまざまな支援策はありますが、そのかなめの一つが円滑な資金の流れを確保することです。しかし、部分保障によって区内事業者は厳しい資金繰りの環境に置かれています。全業種に拡大された一〇〇パーセント保障の景気対応緊急保障は、五千件を超える認定があったようであります。政府は、来年三月で緊急保障を打ち切り、小口零細企業保証、いわゆる全国小口に切りかえるとしております。全国小口は、製造業など二十名以下、商業・サービス業五名以下、限度額一千二百万円などの要件であり、対応できない企業も少なくありません。
 資金繰りが依然厳しい中で、区としても景気対応緊急保証の来年三月打ち切りをやめるよう国に強く求めるべきです。お答えください。
 この間、我が党区議団は、区の公共工事や業務委託などで賃金はじめ良好な雇用条件を確保するため、公契約条例など区独自のルールづくりを繰り返し求めてまいりました。この間、公的業務における労働条件の悪化を背景に、昨年、公共サービス基本法が制定されました。そこでは、公共サービス従事者の労働条件の確保などの施策を講じることが求められております。都内でも国分寺市、新宿区など相次いで条例、要綱の違いはあっても、ルール化の動きが広がっております。区も業務委託や工事において、雇用環境を確保するための区の独自のルール検討を約束いたしました。
 問題は、適正な賃金をどう確保するかというその保証であります。現在の設計労務単価は、相次ぐ引き下げによって、建設の全業種で一万五千円台となっています。全建総連東京の賃金調査でありますが、そこでは、全職種で手間請の場合、一万六千円が支払われており、設計労務単価自体が極めて低い水準であることも見えてまいります。やはり普通に生活できる基準をきちんと定めて、保証できる仕組みが必要です。
 新宿区の要綱では、一定規模以上の工事委託について、設計労務単価、区の行政職員初任給等を参考にして、一定の賃金水準を定めるとしています。また、指定管理者にも適用すべきです。賃金など労働条件をチェックするための仕組みの整備、義務違反の申し出がされた場合の立入検査、是正命令、さらには契約の回避などの定めも必要だと考えます。
 こうした点を踏まえて、区の公共工事から業務委託などに対する雇用環境を確保する区独自のルールについて、賃金保障を柱にするとともに、早期に実施することを強く求めたいと思います。

《答弁》

【石原久産業活性化担当部長】
 景気対応緊急保証に関する御質問にお答えいたします。
 景気対応緊急保証につきましては、政府は、来年三月末の期限の単純延長はしない方針を固めたと聞いております。一方で、景気対応緊急保証終了後においても、中小企業の資金繰りに悪影響が生じないよう、小口零細企業保証に加え、特に業況の悪い企業向けのセーフティーネット保証や創業者向けの保証については、一〇〇パーセント保証を継続し、年末・年度末に向けて中小企業のニーズが高まる借りかえ保証の推進も図るとのことであります。
 荒川区におきましては、二年間で五千四十三件の区長認定を行っており、景気対応緊急保証は、区内企業の資金繰りの円滑化に大きく貢献しているものと認識しております。
 区といたしましては、区内中小企業の資金繰りの状況等につきまして、荒川区信金協議会などとも連携しながら、きめ細かく把握し、適時適切に景気対応緊急保証の延長も含め、国に対して要望してまいります。

【佐藤安夫管理部長】
 区の契約のあり方に関する御質問にお答えいたします。
 区では、このたび、契約内容の適正な履行と良好な品質の確保を図るとともに、区の推進施策の実現にも寄与する今後の入札契約制度のあり方について、案を取りまとめたところでございます。
 今後、議会の御意見もいただいた上で実施してまいりますが、契約内容の適正な履行の確保という点につきましては、価格競争のみならず、委託業務の従事者の雇用条件を含む雇用体制を業者から提案させ、それを評価する履行体制確認型プロポーザルの実施や、発注した工事や委託業務が適正な雇用環境のもとに行われているか、業者からの報告に基づき、確認することなどを想定しております。
 こうした荒川区としての新たな仕組みを構築することにより、的確な対応に努めてまいりたいと考えております。

《質問》

 次に、高齢者が人間らしい人生を送るための施策を抜本的に強化する問題です。
 猛暑に襲われたことしの夏、高齢者の深刻な実態が浮き彫りになりました。特に社会的に孤立した高齢者が熱中症で亡くなりました。所在不明問題も大きくクローズアップされました。
 都の監察医務院の発表では、この夏、熱中症で亡くなった方は、二十三区で百三十八人、うち荒川区で六名でした。そのほとんどが高齢者で、約七割がひとり暮らしです。本当に荒川区内は六人だったのでしょうか。また、社会的孤立との関係はどうなっていたのでしょうか。区としての実態把握と対応が必要ではないでしょうか。
 明治学院大学の河合克義教授は、港区や横浜市鶴見区のひとり暮らし高齢者の実態調査に基づく研究の中で、「孤立している高齢者の中には、命にかかわる深刻な生活問題を抱えている人々が一定割合いる」と指摘しています。いずれも劣悪な衛生状態、栄養失調、病気の放置、夫婦とも認知症、ヘルパーなど他者を受け入れないなど、多くの問題を抱えた困難ケースがたくさんあると指摘しています。
 荒川区はどうでしょうか。見守り、支え合いは重要です。しかし、限界もあります。どうすれば社会的孤立や孤独死などを防げるのか、もう一歩踏み込むことが必要ではないでしょうか。
 現在、介護保険制度で設置された地域包括支援センターには、こうした多問題困難ケースへの対応も含まれています。介護保険におけるセンターですが、事実上、高齢者福祉全体の実質的な窓口として、地域住民の保健・福祉・医療の向上、虐待防止、介護予防マネジメントなどを総合的に行う期間であり、多忙を極めています。しかし、設置箇所や態勢も決して十分とは言えません。区の高齢者福祉や介護関係の部署に地域包括支援センターと連携して、多問題困難ケースにも踏み込める専門職の配置の強化も必要ではないでしょうか。区として、高齢者の実態調査を実施するとともに、ひとり暮らしを中心に社会的に孤立した高齢者の支援を強化することを求めたいと思います。
 また、実施していただいている「ふろわり二〇〇」は、所得制限もなくなり、大変に喜ばれています。この事業の効果は、高齢者の負担軽減や大きな湯船で地域の皆さんと触れ合い、健康に過ごすコミュニティの場としての銭湯利用、銭湯の経営支援などの側面もあります。回数をふやしてほしいという要望は大変多く聞かれます。また、江戸川区のようなカード方式にすることも検討してはいかがでしょうか。ふろわり二〇〇の回数拡大とカード化の検討を強く求めたいと思います。
 この問題の最後に、介護保険の負担軽減についてです。
 十年目を迎えた介護保険は、負担軽減の必要性がますます大きくなっています。介護保険の苦情では、保険料についてがほとんどです。暮らせない年金から、医療保険も加えての天引きです。
 厚生労働省の二〇一二年五期目の見直し案では、六十五歳以上の基準保険料が平均五千二百円程度の引き上げや、一定所得以上の利用者は自己負担額の二割への引き上げ、軽度利用者への給付縮小など、負担増かサービス抑制を求めています。
 荒川区の介護保険の認定状況を見ても、低所得者で要介護高齢者出現率が高いことが示されています。要介護度四・五では、非課税の方が全体の八割を占めています。しかも、サービスの利用率は今でも五割前後です。一律一割の応益負担が大きく影響していることは明らかです。しかも、施設でも居住費と食費の自己負担、生活援助の制限など、繰り返しサービス抑制が行われました。社会的介護どころか、家族に大きな負担がかかっています。こうした高齢者の実態を見ても、区独自の一層の負担軽減施策は、命と暮らしを守るために欠かせません。
 国に対しての国庫負担の引き上げなど、制度の抜本的な改善を求めるとともに、区として、来年度予算で最低生活費以下の高齢者の保険料免除や多くを低所得者が占める重度要介護高齢者への福祉手当の支給などの支援に一歩踏み込むべきと思います。お答えください。

《答弁》

【和気剛福祉部長】
 続きまして、高齢者の実態調査と社会的に孤立した高齢者の支援についてお答えいたします。
 ひとり暮らし高齢者がふえており、所在不明の高齢者や孤独死についての課題もあることから、区では、その実態をさらに詳細に把握する必要があると考え、第五期高齢者プランの策定に向けて、来年度、大規模な調査を行いたいと考えております。また、近年、認知症や精神障がいのため支援を拒否される方や、生活環境が劣悪な、いわゆる「ごみ屋敷」に住んでいられる方など解決が困難なケースがふえております。これらの方々につきましては、区のケースワーカー、保健師、看護師の訪問と指導により対人関係を構築し、また、「ごみ屋敷」の清掃、ごみ捨て、害虫駆除などを行い生活環境を改善するなど、高齢者の支援に取り組んでいるところでございます。
 区といたしましては、今後とも区内の高齢者の状況を的確に把握するとともに、社会的に孤立した高齢者の支援をさらに充実させてまいりたいと考えております。
 次に、ふろわり二〇〇についてお答えいたします。
 平成二十一年度には、事業開始当初設けていた所得制限を撤廃し、利用者が大幅に増加したところでございます。その結果、多くの高齢者の健康の保持・増進や、地域での触れ合いに役立っているものと考えており、今後も現行どおりの利用回数により実施してまいる所存でございます。
 また、カード化につきましては、利用回数の確認ができないことから、導入は困難であると考えております。
 続きまして、高齢者の介護保険料の免除及び重度要介護者高齢者への負担軽減についてお答えいたします。
 介護保険制度は、負担と給付の公平性の観点から、所得段階に応じてすべての方に御負担いただくことが原則となっております。しかしながら、区では、低所得者の負担を軽減するため、きめ細やかな保険料段階設定と生活保護基準をもとに、区独自の介護保険料の軽減策を実施しており、御提案の介護保険料をすべて免除することにつきましては、適切ではないと考えております。
 次に、要介護度の高い高齢者につきましては、医療や介護サービスの必要量が多いため、自己負担が高額になる場合がありますが、その場合、所得段階に応じて高額介護サービス費が支給されるほか、平成二十年度からは「高額医療・高額介護合算制度」により、さらに負担が軽減される仕組みとなっております。また、施設に入所する低所得者につきましては、食費等の負担限度額制度及び区独自の補助事業を実施しております。
 区といたしましては、今後も一律に現金支給するのではなく、真に必要な福祉サービスを提供できるよう、区のさまざまな施策と連携しながら努めてまいります。

《質問》

 次に、子供の貧困を許さず、どの子にも豊かな育ちと学びの保障をする問題です。
 ことしは、当初二百七十五人が認可保育園に入れませんでした。この間、来年に向けて、鉄道弘済会の認可保育園五十人、認証保育所の誘致、再来年の東日暮里での認可園など努力が行われてきました。しかし、保育需要にこたえるために、一層の努力は必要です。また、区立幼稚園も、今回の募集で一部の園で三歳児と四歳児が定員オーバーで抽せんになりました。その後、区は、父母の陳情も受けて、定員の弾力化で、町屋、花の木、南千住第三の各幼稚園で応募者全員を受け入れることにしました。また、汐入こども園の三歳児の短時間は、十名定員に六十九人が応募、七倍近い倍率で抽せん、南千住第二も四十六名の応募に対し、定員を三十名に拡大して抽せんになりました。
 今、私立幼稚園には千八百十四人が通っていますが、そのうち区外が九百十五人です。西尾久地域は九二パーセントが北区、南千住でも約半数に上ります。幼稚園に通わせている保護者は、家庭で育児という側面とともに、働くために保育園に入れたいが無理なので、当面幼稚園でという方も多くなっています。
 三河島幼稚園の廃園、若葉幼稚園もことしが三歳児の最後の募集です。歴史的には二つの区立幼稚園を廃園した経緯もあります。今、区立、私立問わず、区内幼稚園の整備、拡充、支援の強化が必要です。
 私どもが行っている区民アンケートにも、「区立には入れず、区内私立も抽せんで外れて区外に応募、この数カ月、幼稚園探しで大変でした」など、保育園、幼稚園をどうにかしてほしいという声がたくさん寄せられています。
 荒川区全体の保育園、幼稚園の増設と環境整備は、子育て支援の最大の柱と考えます。改めて、幼稚園、保育園の増設が必要になっていると考えますが、認識を伺います。
 また、これまで、三歳児の成長時期を踏まえて、二十人定員、最大二十五人として保育状況を守ってきました。今回、町屋幼稚園で三十三人、南千住第二幼稚園など他の園でも三十人受け入れですが、保育状況を守るためにどう対応するのでしょうか。少なくともクラス編制は二クラスに、教員も常勤対応するなどは、区の最低限の責務ではないでしょうか。今回は緊急対応ですが、引き続き幼児の増加が予想されています。区の子育て支援計画に大きく影響する問題です。そこで、三歳児弾力受け入れでのクラス編制、教員配置について、また、次年度以降の見通しを明らかにすべきです。お答えください。
 もう一つは、どの子にも確かな学力を保障するための手だてです。
 日本政策金融公庫調べで、教育費は世帯年収の三七パーセントを占め、負担割合が過去十年間で最高になっていると報じられました。また、義務教育では、学用品にかかる費用の半分以上が私費負担となっています。
 子どもの貧困・社会排除問題研究プロジェクト中間報告書では、政策と施策の枠組みと方向が提案されています。来年度予算にどう反映されるのでしょうか。まずは、義務教育無償の原則に近づける取り組みから出発してはどうでしょうか。そのため、就学援助の基準をさらに緩和することを求めます。
 また、小中学校の授業に直接かかわる教材・教具について、全額公費で負担するとともに、給食の公費負担を拡大することを求めたいと思います。
 子供の貧困という点では、高校生も同様です。私立高校の授業料無償化で支給される就学支援金では、授業料に届きません。経済的理由で授業料を三カ月以上滞納している私立高校生は、九月末現在、一校当たり十二・七人に上っていることが全国私立学校教職員組合連合の調査で明らかになりました。経済的理由で中退を余儀なくされる方もふえている中で、虫歯の治療もできないほど医療負担も厳しい家庭もあります。十八歳未満は児童福祉法の対象であり、十八歳までの子供医療費無料化を拡大することを求めます。

《答弁》

【黒川重夫子育て支援部長】
 最初に、保育園の増設についての御質問にお答えいたします。
 荒川区における認可保育園の入園申込者数は、本年四月におきましては、五年前の平成十七年と比較し、三百人以上も増加している状況でございます。こうした状況を踏まえ、区では、これまで認可保育園の開設や大改修、認証保育所の誘致や保育ママの増員により保育利用定員の拡大を図ってきたところであります。
 今後も、南千住駅前における私立認可保育園の開設や旧南千住五丁目ひろば館への認証保育所の誘致、旧南千住幼稚園跡地への認可保育園の整備、(仮称)第三東日暮里保育園を開設するなどによって、待機児童の解消を実現してまいりたいと考えております。
 次に、子ども医療費についての御質問にお答えいたします。
 子ども医療費の助成制度につきましては、対象年齢を順次拡大し、平成十九年度からは助成対象を所得制限なしで、中学校三年生までに拡大しております。このため、平成二十一年度の子ども医療費助成額は約七億四千万円にも上り、また、都制度で対象外となった世帯の医療費については、区が単独で助成しております。
 医療費無料化の対象を十八歳まで拡大した場合には、拡大部分の経費をすべて区が負担することになり、財政負担がさらに増大することや、就労し、扶養されていない人も対象者に含まれることから、その実施は困難であると考えております。

【新井基司教育委員会事務局教育部長】
 まず、区立幼稚園の増設に関するお尋ねにお答えいたします。
 幼稚園につきましては、区立幼稚園による対応のみではなく、私立幼稚園による対応も想定しているものでございます。この間、既に廃園を予定している私立幼稚園もあり、幼児教育需要の受け皿確保の必要性について認識しているところでございます。
 区といたしましては、現段階では新たに区立幼稚園を整備する計画はございませんが、既存の施設による定員枠の弾力的運用の中で対応に努めてまいります。
 次に、このたびの定員の弾力化に関するお尋ねにお答えいたします。
 平成二十三年度生につきましては、園児の申し込み状況等を勘案した上で、学級数はふやさず、三歳児の定員を幼稚園設置基準で定められた範囲で弾力的に運用し、入園希望者を受け入れたところでございます。受け入れに当たりましては、教員の加配など、体制につきましても万全を期してまいる所存でございます。
 今後も、区内幼稚園需要の動向を見据えつつ、既存の園舎を有効に活用して、定員の弾力的運用を図りながら、適切に対応を図ってまいりたいと考えております。
 続きまして、就学援助などに関するお尋ねにお答えいたします。
 就学援助につきましては、就学に必要な費用の一部を援助することにより、教育の機会を図ろうとするものでございます。
 本区では、その認定基準を平成二十年度に生活保護基準の一・二倍に緩和し、制度の充実を図ったところであります。また、義務教育に要する経費負担の考え方につきましては、公費負担を原則としつつも、専ら個人が使用するものや給食の食材などにつきましては、保護者の負担とされておりますが、経済的に就学が困難な家庭につきましては、これまでも生活保護や就学援助等により経済的な支援を行っているところであります。
 一方、給食費の公費負担につきましては、食育推進給食に対する給食費の補助と米の一部現物給付を開始し、保護者に対する支援の充実を図ってきたところでございます。
 教育委員会といたしましては、既存の就学援助制度の運用において、おのおのの御家庭の実態に即した対応に努めてまいります。

《質問》

 次に、国民健康保険について伺います。
 今、区長会では、来年度からの国民健康保険料の賦課方式を旧ただし書き方式に変更、値上げになる層への激変緩和措置、現在、一般財源を充てている高額療養費を保険料に算入、前期高齢者交付金の過払い分、二十三区で百三十七億円の精算など、区民生活に直接影響する重大な議論がされています。しかし、内容は、区民にも議会にも示されておりません。
 十一月十六日の区長会は、国民健康保険の算定方式の変更と、それに基づく来年度保険料の暫定案を了承いたしました。これを受けて、墨田、板橋、豊島、新宿などで区長会資料を公表しました。墨田区では、十一月十七日に国保運営協議会に独自試算を提出、それによると、二一パーセントの世帯が負担増になるとの結果です。板橋区も十一月二十四日、保険料負担の世帯別モデルケースを各会派に示しています。
 荒川区はどうするのでしょうか。このままでは結果だけ知らされることになりかねません。毎年の国保料値上げで滞納者はふえ続け、一方、収納率は下がり続け、資格証明書発行世帯約八百、短期証が区の窓口にとめ置かれている世帯が二千、合計約三千世帯近くが保険証を持っていないのです。多くが経済的理由であり、これ以上の値上げは、区民の健康と命に直結する問題です。
 賦課方式の変更に伴う保険料の負担増や経過措置とその財源など、区長会で決定する前に区民の前に明らかにすべきです。また、区民生活を考えれば、来年度の国民健康保険料の値上げは絶対に行わないことを強く求めます。お答えください。
 また、今回の賦課方式の変更は、政府の進める国民健康保険の都道府県単位への広域化への準備とも言われています。これまで全国の基礎自治体は、額の違いはあっても、一般財源を投入して保険料の抑制を行ってきました。しかし、厚生労働省の「広域化支援方針の策定について」という保険局長通知では、明確に「一般会計繰り入れによる赤字補てん分については、保険料の値上げ、収納率の向上、医療費の適正化」によって対処するとともに、運営主体になる都道府県が「一般会計からの繰り入れを行う必要がない仕組みにする」としています。しかし、国庫負担の増額なしでこうした制度に移行すれば、際限のない値上げになることは明らかであります。
 政府の進める国民健康保険の広域化は、自治体の一般財源投入をやめさせ、際限ない保険料値上げと受診抑制につながると考えますが、認識を伺います。

《答弁》

【和気剛福祉部長】
 次に、来年度の国民健康保険料についてお答えいたします。
 我が国の全体の医療費は年々増加しており、医療保険制度を維持していくためには、保険料として、応分の負担をしていただくことが必要であると認識しております。
 一方、二十三区の国民健康保険につきましては、これまでも低所得の方に対し、一般財源を投入し、保険料の減額を行っております。また、高額療養費、葬祭費等の本来ならば保険料として算入すべき経費につきましても、一般財源を投入し、被保険者の負担の軽減を図っているところでございます。
 平成二十三年度から旧ただし書き方式に移行することとなっておりますが、これに伴い、現在、保険料の賦課を統一保険料としている二十三区におきましては、区長会において急激な負担の増加を避けるために、経過措置等を検討しているところでございます。区長会における了承の後、各区では、国民健康保険運営協議会に諮問し、審議をしていくとともに、区議会に対しましても、十分に御説明をさせていただきたいと考えております。
 最後に、国民健康保険の広域化についての御質問にお答えいたします。
 平成二十五年度から、年齢により区分されていた後期高齢者医療制度の被保険者は、被用者保険と国民健康保険に加入することとなり、これに伴い、新たな医療制度の構築が国において検討されております。また、国は、これにあわせ、保険財政の安定化を目指し、医療保険制度の広域化を進めようとしております。
 御質問にございます「広域化」による自治体の一般財源投入につきましては、本年十一月の第十二回高齢者医療制度改革会議の資料によりますと、都道府県が定める標準保険料の設定によっては、市町村の一般財源から補てんする仕組みが必要との記載があるところでありまして、今後、議論がされていくものと考えております。
 区といたしましては、制度改革会議等の国の動向を注視しつつ、必要があれば、国や東京都に意見を申し述べていく所存でございます。

《質問》

 次に、コミュニティバス導入やバリアフリーなど福祉のまちづくりについて伺います。  今、高齢者など多くの方から病院、公共施設、商業施設への移動手段としてもコミュニティバスを通してほしいとの声が広がっています。町屋駅などの通勤の足となり、利用されれば、自転車対策にもなります。コミュニティバスについては、交通不便地域の交通手段とともに、買い物や通院など福祉バスの視点も入れ、将来を見据えた計画として、区内全域で導入することを求めます。
 また、町屋地域の隅田川沿いは、多くの福祉施設が集積する地域になろうとしています。町屋五・六・七・八丁目には都営住宅が約千戸、今後、特養ホーム二カ所、高齢者住宅とデイサービスセンター、有料老人ホーム、障害者住宅、重度障害者支援施設などです。六丁目団地を中心に、買い物難民も既に生まれています。段差も至るところにあり、一部を除いて車いすが安全に通ることのできる歩道の整備も不十分です。隅田川の堤防沿いを抜けて尾竹橋通りに出る道は、最近、交通量もふえましたが、信号もなく、歩道も整備されておりません。七丁目側の生活道路の整備や信号の問題も抱えています。
 町屋地域の隅田川沿いをバリアフリーの重点地域として、コミュニティバス、道路の段差解消、歩道整備など「福祉のまちづくり」として面的に整備することを強く求めます。

《答弁》

【菊池秀明都市整備担当部長】
 コミュニティバスに関する御質問にお答えいたします。
 新たなコミュニティバスの路線につきましては、議会からの御要望を受け、区は既に福祉的な視点や事業の採算性等、地元に根差した地域交通としてのコミュニティバスのあり方について調査を進めているところであります。
 今後、議会の御意見や関係バス事業者等へのヒアリングを行い、コミュニティバスの新規導入に向け、さらに検討してまいります。
 次に、バリアフリーのまちづくりに関する御質問にお答えいたします。
 区では、荒川区バリアフリー基本構想を昨年度策定いたしました。この中で、重点的かつ先導的にバリアフリー化に取り組む地区として、町屋駅・区役所周辺地区をはじめとする四つの重点整備地区の設定をいたしましたが、他の地区につきましても、道路の改修整備や施設整備計画の機会をとらえ、バリアフリー化を推進してまいります。

《質問》

 最後に、区営自転車駐車場の問題です。
 依然として、日暮里駅地下自転車駐車場は半分程度の利用率です。町屋はほぼ埋まっていますが、いずれも地下で不便です。そのため、放置自転車は周辺に拡散、一向に改善されていません。区営自転車駐車場は、放置自転車対策を大きな目的にしていますが、そのためにはさまざまな改善が必要です。利便性の向上の一環として、一定の利用料値下げも検討すべきです。南千住駅前の民間駐輪場は、一時利用十二時間百円で営業しています。町屋駅、日暮里駅、南千住駅などの区営自転車駐車場の一時利用八時間以上二百円や定期利用料金の値下げを行うことを求めたいと思います。
 以上で、第一回目の質問を終わります。

《答弁》

【緒方清土木部長】
 最後に私から、駅前自転車駐車場の利用料金の値下げに関する御質問にお答えいたします。
 初めに、定期利用の料金につきましては、受益者負担などの原則から、さまざまな解決すべき課題があり、現状では実施することが難しいと考えております。
 次に、一時利用の利用料金につきましては、当初、利用時間が八時間以内の場合は百円とし、八時間を超えた場合は二百円の料金設定でありましたが、平成二十年八月から指定管理者の自主事業の一環として、初期二時間無料のサービスを導入してまいりました。
 今後、二時間以上の利用料金の値下げにつきましては、利用者サービスの向上の観点から、検討してまいりたいと考えております。

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2010年第3回定例会

2010年 第1回第2回第4回



【安部キヨ子区議】

  1. 子どもたち一人一人に行き届いた教育実現のために、区として少人数学級を推進する姿勢に立つこと。また、計画にそったクラス予測数を示すこと。また、学校選択制は矛盾すると思うがその認識を問う。
  2. 政府による「子ども・子育て新システム」は、「保育に欠ける児童の保育の実施」の「自治体の責務」とそれを保証する政府の責任を放棄するもので、子どもの貧困の連鎖を拡大しかねない。区として警鐘をならす必要があると思うが認識を問う。
  3. 10年目の介護保険の抜本見直しについて
    1. 介護保険料負担は限界であり、介護保険給付費費用負担割合の財源の2分の1を保険料から徴収する制度そのものを見直すことを強く申し入れること。
    2. 保険給付の増大を理由に生活援助や軽度者のサービス削減を検討しているが本末転倒である。必要な方が必要なサービスを受けられるよう、高齢者の生活と尊厳を守ることを第一にした制度の見直しを求めること。
  4. 高齢者のくらしの安心と負担軽減のために
    1. 後期高齢者医療や介護保険を使用していない高齢者の安否確認を行い、経済状況など聞き取り必要な対策をとること。
    2. 熱中症や灯油火災対策のために、大家さんへのエアコン設置補助を検討すること。
    3. 介護保険料減額の預貯金限度の大幅引き上げと「にこにこサービス」の費用負担軽減をはかること。
  5. 地上デジタル放送についてテレビ難民を生まないために
    1. 地デジ完全移行で区の建物による難視聴対策を打ち切るとした決定を見直し、テレビ難民世帯の実態調査を実施すること。
    2. 国に対して低所得者、高齢者などへのいっそうの支援強化と、条件が熟すまでアナログ放送停止を延期するよう求めること。また、区としても支援策を検討すること。
    3. 区としての地デジ問題「相談窓口」と「コールセンター」の設置を
  6. 若者の雇用について
    1. ジョブコーナー町屋、「企業説明会・就職説明会」など既存施策をいっそう充実させるとともに、総合相談窓口の設置、職業訓練、学び直しなど支援策の検討することすること。
    2. くらし・雇用など総合的に支援する就労支援の担当課を設置すること。
  7. 放置自転車対策について
    1. JR尾久駅付近や都電小台駅など必要なところに自転車置き場を設置すること。また、自転車整理員も配置すること

《質問》

 日本共産党荒川区議団を代表して質問を行います。
 第一に、教育についてです。
 子供たちを少人数学級で学ばせたいという願いは、父母、教育関係者の一致した願いです。文科省の意見募集でも、八割以上の人が望ましい学級規模を三十人以下としています。
 学習面では、四十人やそれに近い学級では「落ちこぼし」が生まれやすく、学級規模が小さくなれば、子供一人一人の学習のつまずきを丁寧に指導することができることは、既に多くの実践で実証されています。
 また、近年、発達障害や外国人の子供たちへの支援も増大しており、特別支援学級の充実が全校で求められてきています。先生方は、校務分掌や報告がふえ、長時間学校にいても子供一人一人と十分向き合えない状況が指摘されています。これらを解決するための基礎的条件が少人数学級にあると思います。
 我が党は、国でも、都でも、区議会でも、少人数学級実現を求める質問を繰り返してきました。いよいよ文科省は二〇一一年度から八年間で小中学校の一学級児童・生徒数の上限を四十人から三十五人に引き下げる計画案を打ち出したもので、三十年ぶりの改善になります。教育関係者をはじめ、国民共同の運動がやっと実ろうとしているもので、何としても実現していきたいと思います。
 計画では、十一年度に小学校一年生と二年生の二学年を三十五人学級とし、その後は毎年一学年ずつ三十五人学級にします。中学校も十四年度から毎年一学年ずつ三十五人学級に、そして、十一年から十八年度には小学校一年生と二年生を三十人学級にする計画です。文科省は、必要な教職員を八年間で約二万人ふやすことにしています。今年度、東京都教育委員会は、小学校一年生、中学校一年生対策として、一学級三十九人、来年は三十八人と少人数学級に踏み出しましたが、残念ながら荒川区は習熟度学習で先生を複数配置しているとして、少人数学級に踏み切っていません。ぜひ文科省の計画を実らせる立場で区教育委員会の取り組みを求めたいのです。
 現状でも汐入地域の二校では、三十五人学級の実施は困難な状況ではないでしょうか。また、学校選択制によって抽選をしている学校の中で、もう普通教室に振り向ける余地はなく、学級増に耐えられない状況の学校もあります。一人一人の子供たちが基礎学力を身につけること、必要な特別支援学級なども確保しながら、積極的に三十五人学級を具体化するためにも、実態調査と条件整備が必要であります。
 区として、少人数学級を推進する姿勢に立ち、計画に沿ったクラス予測数を示すこと、また、その際、学校選択制の継続は矛盾すると思いますが、認識を伺います。お答えください。

《答弁》

【川嵜祐弘教育長】
 少人数学級に関する御質問にお答えします。
 既に報道されておりますとおり、文部科学省は、本年八月に、来年度から段階的に小中学校の学級人数の上限を引き下げる少人数学級編制の案を示しております。そして、この計画案に基づき、来年度予算の概算要求を行うとともに、関連法の改正を予定しているとのことでございます。
 現時点では、国の予算編成や法改正の動向が流動的ではございますが、区といたしましては、国や東京都の動向を見据えながら歩調を合わせて、適切に対応を図ってまいる所存でございます。
 国の少人数学級編制の方針が正式に決定された際には、学級数の予測や対応方策等につきまして、区議会にも御報告させていただき、御指摘いただきました学校選択制度の関係につきましては、少人数学級に合わせた受け入れ可能数の設定を行うなどの変更は必要となりますが、その他につきましては、これまでと同様に、保護者の要望を踏まえ、適宜適切に実施してまいります。

《質問》

 第二の質問は、保育についての質問です。
 民主党政府は、六月に「子ども・子育て新システム」計画を決め、来年早々にも法律改定、二〇一三年には実施を予定しています。内容的には、幼稚園、保育所、認定子ども園、類似幼稚園、認証保育所などを一律に「こども園」と名称を統一し、運営のあり方を変えようとしています。幼稚園でも長時間利用の乳幼児も受け入れる保育園も、短時間利用の希望を受け入れて、待機児対策とするとしています。しかし、長年それぞれ確立されてきた体制を無理に一体化することが可能なのでしょうか。
 しかも、計画では、こども園入所に当たって、自治体には審査、決定権がありません。自治体は保育の必要度を介護保険と同じように認定するにとどまり、入所の決定は利用者と事業者の間の直接契約、事実上事業者が決定することになります。また、自治体による施設認可もなくなり、こども園の設置は指定された事業なら株式会社でもNPOでも可能としています。新成長戦略として子育てを営利企業の参入ともうけの場に開放しようとしています。
 利用料は所得に応じた保育料ではなくなります。介護保険と同様に保育の必要度が低いと認定された場合は、利用時間が限度時間を超えた部分は実費負担、長時間利用が可能と認定された方も、利用時間に応じて負担がふえることになり、父母の経済力の有無によって利用が制限されることになります。
 幼稚園がこども園になり、長時間保育を拡大することで、待機児解消を図る意図もあるようです。しかし、荒川区内の私立類似幼稚園含めて、通園園児は約八百人、区外私立幼稚園にも例えば北区や墨田区、葛飾区の幼稚園に八百人も通園しています。必要な施設整備を行わずに、こども園に変わっただけで保育園待機児が減るのでしょうか。実態とかけ離れたもので、当事者の幼稚園経営者にとっても寝耳に水ではないでしょうか。
 重大なことは、児童福祉法二十四条による保育に欠ける乳幼児の保育を実施する責任を負ってきた自治体の規定がなくなることです。何らかの事情で育児放棄などの状態にいる子どもさんに、保育園や区は最後のとりでになっています。格差と貧困が拡大するもとで、自治体がお子さんに光を当てて保育を提供する、命と成長に責任を持つということが今、切実に大切だと思います。責務を放棄することは、深刻な事態を招くことになるでしょう。
 また、民主党政府は、「地域主権改革」の具体化として、保育園、児童館、学童保育、在宅支援家庭センター、乳幼児家庭訪問事業や子ども手当予算などを「子ども・子育て包括交付金」として自治体に一括交付するとしています。それは、権限と予算を自治体にしっかり保障するのではなく、逆に国庫負担を一般財源化させ、最低基準の廃止を進めて、保育の質を全国的に引き下げ、結局国の負担を削減する目的になっています。
 民主党政府による「子ども・子育て新システム」は、保育に欠ける乳幼児の保育の実施の自治体の責務とそれを保障する政府の責任を放棄するもので、子供の貧困の連鎖を拡大しかねないのではないでしょうか。区として警鐘を鳴らす必要があると思うのですが、見解をお伺いします。

《答弁》

【黒川重夫子育て支援部長】
 子ども・子育て新システムについての御質問にお答えいたします。
 子ども・子育て新システムは、幼保一体化を含む新たな次世代育成支援のための包括的・一体的なシステムを構築するため、国の子ども・子育て新システム検討会議において検討され、本年六月に基本制度案が公表されたものであります。
 基本制度案においては、すべての子供・子育て家庭を対象にした基礎的な給付として、子ども手当や一時預かり、地域子育て支援等のための給付を行うことや、保育に欠ける要件を撤廃し、保育所、幼稚園、認定こども園の垣根を取り払い、一体化するなどの記載がありますが、具体的な実施方法など詳細は明らかにされていない状況でございます。
 区といたしましては、今後の国の動向を注視するとともに、必要に応じて、国や東京都に対して、意見や要望を申し述べてまいる所存でございます。

《質問》

 第三に、介護保険制度の見直しに当たって質問いたします。
 介護保険制度が二〇〇〇年から始まって十年、「介護を社会的に支えること」を目的に発足しましたが、この間の連続保険料の引き上げ、サービス利用料の負担の重さ、介護度を四・五と制限してもなかなか入所できない特養ホーム、家族介護の負担も十分軽減できず、負担ばかりが増大して、「保険あって介護なし」という声が聞こえてきます。
 荒川区の六十五歳以上の介護保険料は、第一期、本人非課税の基準保険料は二千九百六十三円でした。現在の第四期は四千六百十三円と毎回引き上げです。第四期では五段階から十一段階に細分化して傾斜をかけましたが、全体で集める保険料総額が決まっているために、下を軽くすれば、どこかの階層の負担が重くなってしまいます。保険料負担は、低所得者はもちろんですが、今、中間層もみな限界です。
 そもそも、保険給付費の五〇パーセントを保険料で徴収、一号保険料で二〇パーセント、国庫負担は二五パーセントに引き下げている制度に大きな問題があります。
 日本共産党は、本年一月から五月にかけて「介護保険制度の見直しに向けてのアンケート調査」を実施し、改めて矛盾や問題点が浮き彫りになりました。介護保険財政については、保険料、利用料負担は限界、国庫負担の増額を求める声が事業所で七〇パーセント、自治体で約五〇パーセントと、いずれも最多でした。
 このままのシステムで二〇一二年からの第五期計画、保険料設定をすれば、一号保険料のさらなる引き上げとなるでしょう。保険者である自治体の検討も限界ではないでしょうか。介護保険給付費・費用負担割合の財源の二分の一を保険料から徴収する制度そのものを見直すことを強く申し入れるべきではないでしょうか。お答えください。
 次に、介護給付費抑制と国庫負担削減を目的に、「介護保険の適正化」と称して、生活援助の制限や訪問介護の時間削減などが行われ、区民サービスの低下を招いています。今後、団塊の世代が高齢期を迎え、介護給付費総量は引き上がるからと、政府は十年目の見直し、法改正に向けて、一、特別養護老人ホームなど介護保険施設における医療・看護・介護の機能を外部から提供する。二、ホームヘルパーが行っている生活援助の訪問介護を保険給付から外す。三、要支援一・二または要介護一程度の人を介護保険から外す。四、利用者負担を引き上げるなどの議論が出されています。これでは、改正どころか、さらなる「介護切り捨て」です。死ぬまで保険料を払うのに、いざというときに役に立たない介護保険になってしまいます。
 保険給付の増大を理由に生活援助や軽度者のサービス削減をするのは、本末転倒です。必要な方が必要なサービスを受けられるよう高齢者の生活と尊厳を守ることを第一にした制度として見直しが必要です。見解を伺います。

《答弁》

【西川太一郎区長】
 安部キヨ子議員の御質問の中から、私は、介護保険の公費負担の増額についてのお尋ねにお答えを申し上げます。
 介護保険制度が施行されてから十年を総括いたしますと、制度スタート時には、介護保険は「走りながら考える」と言われた制度であり、これまで、多くの改正が行われてまいりました。
 こうした中、私は、介護保険制度の第一の目的である高齢者の皆様が尊厳を保持し、その有する能力に応じて、自立した日常生活が送られますように、介護サービスの基盤整備を進めるとともに、制度のはざまで不足するサービスについて、区独自の施策を展開し、区民の幸福と安心を実現するため、積極的に取り組んでまいりました。
 超高齢社会を迎えた現在、介護保険制度の役割や機能をさらに強化し、安定した財政基盤のもと、将来にわたって持続可能な制度にしていくことが重要であると考えております。
 介護給付費の財源は、公費と保険料の折半となっており、サービスが充実するほど保険料負担が増大するなど、制度構造による限界があることも事実ではないかと思っております。
 私は、これまでも区議会の皆様の御意見を踏まえ、介護保険制度の財政負担のあり方について、国の 調整交付金の見直しや介護報酬の改定が利用者の負担増加にならないような抑制策を講じることなど、特別区長会などにおいて提案してまいりました。今後も、国において平成二十四年度に予定されている第五期介護保険制度の改正に向け、さまざまな検討が行われてまいりますが、私は、区民が高齢になられても安心して地域の中で過ごしていただけることができるように、財源のあり方、これは大変重要であり、どなたもこのことについてはおっしゃらないのでありますが、消費税の話をすると、すぐ怒られたりいろいろするわけでありますけれど、財源のあり方はもちろんのこと、介護保険制度の機能強化についても、国や東京都にかなり厳しく申し入れをしておりまして、随分我々の意見を取り入れてくれた老人福祉の分野もあるわけでございますが、ただいまの御意見をはじめ、区議会の先生方の御意見をしっかり踏まえながら、一生懸命努力していきたいというふうに考えております。
 安部議員さんの御質問は、私が知らなかったことをいろいろ教えてくださり、近隣区でそういう努力をしておられるのかと、なるほどなと思うことがありますが、同時に、本区がもっと進んでいる点もたくさんあるということも思いながら拝聴しておりました。いずれにしても、大変教えていただく部分が多うございました。そのことを申し上げ、残りのことにつきましては、関係理事者から御答弁申し上げます。

【和気剛福祉部長】
 初めに、軽度認定者への生活援助サービスの見直し等についての御質問にお答えいたします。
 現在、社会保障審議会介護保険部会におきましては、第五期介護保険制度改正に向けて、高齢者の住まいのあり方、介護と医療の連携、地域包括支援センターの機能強化等、さまざまな課題を踏まえて議論を行っているところでございます。
 その中の意見の一つとして、介護保険制度の持続可能性確保の観点から、他の社会資源の積極的活用による軽度認定者の生活援助サービス等の給付の見直しや保険給付の重度認定者への特化についても提案されているところでございます。
 しかしながら、一方で、介護予防推進の観点から、軽度認定者についても現行どおり保険給付として充実すべきとの指摘もあり、これらの制度改正に向けた議論の動向は流動的です。
 区といたしましては、高齢者のだれもが住みなれた地域で、みずからの意思と選択に基づく自立した生活を、健康で生き生きと安心して営むことができる地域社会を実現するために、今後の議論の動向を注視しつつ、必要があれば、国や東京都に対して意見を申し述べていく所存でございます。
 次に、後期高齢者医療制度や介護保険サービスを利用していない高齢者についての御質問にお答えいたします。
 区では、これまで、介護予防検診の結果や支えあい見守りネットワーク事業による活動のほか、区民から寄せられる情報により、見守りが必要な高齢者を把握するとともに、御本人の状況に応じて支援をしてまいりました。また、その方が経済的事情により医療や介護サービスの利用を控えている場合には、低所得者に対する負担軽減措置など利用できる制度を御案内し、また、相談窓口に区職員が同席するなど、その方が必要とするサービスの提供を受けられるよう、十分に配慮してまいりました。
 本年につきましては、所在不明高齢者の発覚が各地で相次いでいる状況を受けまして、区では、まず、介護保険や後期高齢者医療制度の利用状況など、区が保有する情報を活用し、その上で、必要に応じて職員が御自宅を訪問するなどにより、高齢者の所在を確認したところでございます。
 今後もこのような安否確認の結果、支援が必要な方を把握した際には、民生委員、地域包括支援センターなどと連携し、その方が必要なサービスを受けられるよう、適切な対応をしてまいる所存でございます。

《質問》

 第四に、高齢者の暮らしの安心と負担軽減の観点から、具体的に何点か伺います。
 足立区で百十一歳と言われる男性が実際は既に死亡されていたことで、高齢者の所在確認が問題になりました。共通していることは、急速に進行する高齢化と貧困の中で、高齢者の社会的孤立が進行していることです。どうしたらこのような事態を防ぐことができるのか、深刻な問題だと思います。
 二〇〇〇年の介護保険導入に合わせて、介護・福祉サービスを民間事業者にゆだねてきた結果、区が区民の実情・実態を把握することが難しくなっているのではないでしょうか。
 そもそも、老人福祉法は、第五条では、地方自治体に老人の福祉に関し必要な情報の把握に努めることを義務づけています。以前はひとり暮らしや援助が必要なすべての高齢者の生活実態を把握し、個別台帳をつくるなど、政府としての指針で示されていました。今、地域の高齢者の具体的状況をつかんでいるのは、五カ所の包括支援センターやケアマネさん、民生委員さんではないでしょうか。多忙な業務の中、本当に頑張っていただいています。それぞれの情報をトータルに生かせるようにするためにも、区が責任を持って全体像を把握する体制を構築すべきときです。また、緊急対応として、後期高齢者医療も介護保険サービスも利用していない方をピックアップして、訪問調査をしたらいかがでしょうか。所在確認を行うとともに、経済的な理由で医療や介護のサービスが受けられないでいることはないか、生活保護の対象者なのに申請がわからず、生活苦で困っていないかなど、しっかり状況もつかんで対策をとることが大事です。お答えください。
 また、熱中症については、高齢者が死亡するなど痛ましい事態が毎日のように報道されています。暑い室内でお一人で亡くなっており、低所得者の方が多いとも新聞報道されています。都の監察医務院の統計報告だけでも、東京二十三区の熱中症の死亡者は、梅雨明けから九月六日まで百三十六人で、荒川区でも六人の方がお亡くなりになっています。
 大もとの地球温暖化対策はもちろん大事ですが、できることから対策を立てたいと思います。
 冬になると高齢者の方の灯油ストーブによる火災事故も発生します。アパートの大家さんが高齢者の皆さんのためにエアコン設置する場合に、一定の補助金を出して、熱中症や火災予防対策を行う仕組みを検討するのはどうでしょうか。積極的な答弁を求めます。
 次に、私どもは毎年のように生活保護基準以下の収入で、蓄えも底を突きそうな状況の方、年収百二十万円、貯金三百万円以下の高齢者の方の介護保険料を事実上免除する条例を提案してまいりました。しかし、残念ながら、他会派の賛同を得られていません。実現に向けてさらに頑張りたいと思いますが、せめて現在区が行っている非課税世帯の第三段階の方の保険料減額制度についてですが、その預貯金要件六十万円以下というのを引き上げていただきたいのです。
 荒川区の対象要件は低過ぎるのです。二十三区を調べてみても、預貯金の制限を六十万円としている区は、荒川区を含め、あと数区です。お隣の北区も三百万円まで対象であります。ぜひ近隣区並みに預貯金限度額の引き上げをして、低所得の高齢者の負担を軽減する提案をぜひ検討、早期実施することを求めます。お答えください。
 次に、家族がいる方や介護度の軽い方などが介護保険で補えない掃除・洗濯、通院外出介助、話し相手などを社会福祉協議会で実施している「にこにこサービス」で利用している方もいます。しかし、利用しようとすると、一時間七百五十円から九百五十円、介護保険の利用料負担も大変な中、考えてしまいます。そこで、荒川区がサービスを利用しやすくするために一定の助成を行ってはどうでしょうか。見解を伺います。

《答弁》

【和気剛福祉部長】
 次に、熱中症や灯油火災対策にかかわっての御質問にお答えいたします。
 区では、これまで火災予防のため、石油ストーブなどの暖房器具の取り扱いについて、消防と連携して啓発活動を積極的に進めてまいりました。また、本年は、例年にない猛暑のため、区ではいち早く熱中症対策に取り組み、冷房設備のない会場でころばん体操を休止したほか、民生委員による見守りや声かけ、地域包括支援センターや介護事業者による注意喚起、行政防災無線による呼びかけなどに精力的に取り組んだところでございます。
 今後につきましても、消防、町会、民生委員の方々、社会福祉協議会、地域包括支援センターなどの地域の関係機関と密接に連携を図りながら、火災や熱中症などの予防対策に取り組み、高齢者の安全・安心の確保にこれまで以上に積極的に努めてまいる所存でございます。
 続いて、介護保険料減額制度における預貯金限度額についての御質問にお答えいたします。
 区では、平成十四年度から、六十五歳以上の第一号被保険者のうち、特に低所得者の方を対象といたしまして、区独自の介護保険料減額制度を実施いたしております。この減額制度の対象となる方の収入額及び預貯金限度額の要件につきましては、生活保護基準をもとに設定しているところであり、適切なものと考えてございます。
 なお、同様の減額制度は他区でも実施しておりますが、減額の適用を受けている方は他区に比べて本区は多いという状況がございます。これは、他区の多くで取り入れている「住民税課税者に扶養されていないこと」という要件を当区の制度では要件に入れていないためでございますので、御理解を願いたいと存じます。
 最後に、「にこにこサービス事業」についての御質問でございますが、これは、社会福祉協議会が地域福祉活動推進事業の一環として、家事援助や生活における介助などを提供するもので、利用会員がサービスの利用料金を支払い、それを協力会員が謝礼として受け取るという相互扶助の事業でございます。
 区は、この事業に対しまして、社会福祉協議会の職員の人件費や管理運営費などを補助しており、利用料金そのものに補助するという委員の御提案は、根本的に事業の仕組みを見直すこととなり、適切なものではないと考えてございます。

《質問》

 第五に、地上デジタル放送への完全移行についてお尋ねします。
 地デジ放送完全移行まで一年を切りました。総務省は、地デジ普及率がことし三月現在で八三・三パーセントと発表しましたが、本当でしょうか。荒川区の世論調査では、昨年の十月時点の調査ですが、地デジ対応世帯が四六・四パーセント、木造アパートでは二三・九パーセントです。余りにも乖離しています。老朽化した木造アパートなどにお住まいの方で、大家も店子も地デジテレビを買う資力がない場合もあります。
 国が行っているNHK受信料全額免除世帯へのチューナー無料支給も、対象世帯二百八十万に対して、八十万世帯にとどまっています。来年度から区市町村民税非課税世帯にも簡易チューナーを支給するようですが、アンテナ設置費用は対象外です。また、経済的負担だけでなく、地デジ移行の意味が十分に理解されない場合も少なくありません。
 石川県の珠洲市で完全移行実験が成功したと言いますが、無条件で一世帯四台のチューナー貸し出し、国、行政、業界挙げての支援、そして、総務省テレビ受信者支援センター・通称デジサポと電機店が全戸訪問するなど、分厚い対応をしたと言われています。
 このような中で、荒川区が原因者になっている難視聴対策地域が、町屋五丁目区民住宅の約二千二百世帯をはじめ、サンパール荒川、諏訪台中学校などの区立小中学校などの影響世帯合計二千九百八世帯に対して、ケーブルテレビを敷設して年間五百万円の経費を支出していました。この区の難視聴対策を打ち切ることを委員会で明らかにしましたが、本来その是非も含めて区民にわかるように説明し、納得を得なければなりません。ところが、その対応は一切とらないのはどういうことでしょうか。しかも、ケーブルテレビ会社が対象世帯に訪問調査を行っていますが、ケーブルを来年以降も使うのか、使わないのか、使う場合は月五百二十五円負担があるなど説明をされるものの、言われている高齢者は全く理解できないでいる方もいます。
 テレビは、娯楽とともに災害情報などを知る大事な情報手段です。地デジになると、本当に難視聴帯対策は必要ないのか、高齢者世帯や木造アパートでテレビを見られない区民が出ないのかなど、区としてきちんと実情を調査すべきではないでしょうか。
 地デジ完全移行で、区の建物による難視聴対策を打ち切るとした決定を見直すことを求めます。また、テレビ難民世帯が生まれないのか、実態調査を実施すべきです。
 また、国に対して、アナログ放送停止を延期し、低所得者などへの支援を強化することなど強く求めてください。そして、区としての支援策も検討するとともに、区としての地デジ問題相談窓口とコールセンターの設置を求めるものです。お答えください。

《答弁》

【北川嘉昭総務企画部長】
 地上デジタル放送に関する御質問にお答えいたします。
 現在の地上アナログ放送は、電波の有効活用を目的とした電波法の改正により、来年七月をもって地上デジタル放送へ完全移行し、終了することとなっております。
 区では、これを受けまして、都市整備部、区民生活部、福祉部など関係各部とともに、想定される課題につきまして、さまざまな観点から検討を重ね、これまで対策を行ってまいりました。具体的に申し上げますれば、昨年度からは、区報やホームページの掲載、各町会への説明のほか、七十回を超える区内各地域での説明会の開催や希望者に対する個別説明、本庁舎における臨時相談窓口の設置など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 今年度におきましては、こうした取り組みに加え、川の手荒川まつりでの専用相談ブースの設置、民生・児童委員への説明等を行うなど、きめ細かい情報提供を行ってきたところでございます。
 さらに、本年八月からは、毎週火曜日と第二・第四日曜日に本庁舎一階ロビーに相談窓口を設置し、地デジに関するさまざまな御相談に対応しており、これまでにさまざまな場で御説明や情報提供を行ってまいりました区民の皆様の数を申し上げますと、延べ三千五百名以上に上っております。
 このように、区として十分な体制をとっておりますので、区独自の相談窓口やコールセンターをさらに設置するということは予定しておりません。
 次に、区施設を原因とする難視聴世帯に対する対応につきましては、区独自で調査を行った結果、地上デジタル放送への移行に伴い、該当地域すべてで電波障害が発生しないことを確認いたしました。この結果を受けまして、地上デジタル放送へ完全移行する時期をもって、区の対策を終了することとし、該当する世帯に対しましては、一戸一戸個別に文書をお配りして周知を行いますとともに、専用の電話相談窓口の設置を行ったところでございます。
 本日まで数件のお問い合わせをちょうだいいたしましたが、いずれもきめ細かく丁寧に御説明したところ、御理解いただいたところでございます。
 他区や民間事業者での対応と同様に、難視聴対策を終了するという方針は見直す予定はございません。また、さまざまな場で区民の皆様からいろいろとお話を伺っておりますので、改めて実態調査を行う必要性もないものと考えております。
 低所得者や高齢者に対する支援策につきましては、総務省がNHK受信料免除世帯に対し、地デジチューナーの無償配布やアンテナ設置等の助成を行っております。さらに、総務省では、地デジチューナーの無償配布の対象世帯を非課税世帯にまで拡大することを検討している旨の報道が先日あったところでございます。
 地上デジタル放送の移行は国の政策であることから、支援につきましても、国の責任と財源のもとに実施すべきものであり、それらの制度の周知徹底を図るなど、区として果たすべき役割を行ってまいります。
 区といたしましては、国の動向を注視いたしますとともに、「デジサポ」という愛称でおなじみの総務省東京都中央テレビ受信者支援センター等とも十分な連携を図りながら、区民の皆様が安心して地上波デジタル放送に移行できるよう、適切な支援を行ってまいります。

《質問》

 第六に、若者の雇用問題です。
 今、若者の雇用は、極めて深刻な事態に直面しています。政府統計でも、若年層で正規雇用が減少、非正規雇用が増加する比率が高く、失業率も全体の二倍などと高くなっています。また、離職率が高いのも特徴です。こうした大もとに、派遣労働の原則自由化に象徴される労働法制の規制緩和にあることは明らかです。労働者派遣法の抜本改正、最低賃金の引き上げ、正規雇用の拡大など、若者が人間らしく働ける環境をつくる政治の責任が今、問われています。
 同時に、若年層の雇用問題をこのまま放置することは、社会全体の持続可能な発展を阻害し、企業の将来も危うくすることにつながります。地域の将来を考えても、区として国、企業に働きかけるとともに、若年層の雇用支援に取り組むときではないでしょうか。
 足立区では、若者サポートステーションを設置し、毎月七百名前後の若者が利用しています。キャリアカウンセリング、就職セミナー、コミュニケーションセミナーなどの事業も行っています。そこでは、面接の練習、書類の添削、臨床心理士のカウンセリング、保護者との面談など、多彩な事業を行っています。また、引きこもり対策も実施し、学び直し支援なども行っています。就職だけでなく、仕事が見つかるまでの暮らしの相談にも応じる雇用・生活総合相談窓口を設置し、就労支援課で運営しています。
 荒川区としても、ジョブコーナー町屋、企業説明会・就職説明会など既存施策を一層充実させるとともに、雇用と生活にかかわる総合相談窓口の設置、職業訓練、学び直しなど支援策を検討すべきです。
 また、暮らし、雇用など総合的に支援する就労支援の担当課を設置することも求めます。お答えください。

《答弁》

【高野政義産業経済部長】
 若者の雇用に関する支援策についての御質問にお答えいたします。
 区とハローワーク足立が連携して運営をしてまいりました「ジョブコーナー町屋」は、本年四月から、国の「ふるさとハローワーク」に位置づけられました。これに伴い、相談員をふやして相談体制を充実したところでございます。また、二十三年度にはジョブコーナーの求人情報検索端末が全国のハローワークとネットワーク化される予定であり、区民の就労支援サービスがさらに向上することになります。
 また、本年六月には、ハローワーク足立の所長と私どもとで区内の企業を訪問して、新規に高校などを卒業する学生の求人要請を行ったところでございます。訪問先から既に求人をいただいているとハローワークから聞いております。
 マイタウン企業説明会・就職面接会は、ハローワーク足立と足立区、荒川区が協力し、年に二回開催しておりますが、平成二十年度には緊急雇用対策として、臨時に荒川区で開催いたしました。今後ともより多くの雇用に結びつくよう効果的に実施してまいります。
 若者の職業訓練等の支援策については、ハローワークには若年者相談コーナーが設置され、相談だけではなく、実践的な指導も行ったり、無料の職業訓練とその間の生活費の支給などの支援も行っております。
 区といたしましては、引き続きハローワーク足立と連携・協力し、区民の就労を積極的に支援してまいります。
 就労支援の担当課の設置に関する御質問にお答えいたします。
 区では、平成二十一年三月に、他区に先駆けて、庁舎一階ロビーに仕事や住宅、生活などさまざまな相談を総合的に受ける窓口として、「仕事・生活サポートデスク」を開設しました。同年六月からは、福祉部に組織を移し、産業経済部や社会福祉協議会、ハローワーク足立など関係機関が連携して相談に対応し、相談内容に合った就労や生活に関する支援を行っております。
 私どもといたしましては、現在必要なことは、ハローワーク等の関係機関とさらに密接な連携を図りながら、就労支援に取り組むことであると考えており、先ほど申し上げましたジョブコーナー町屋のふるさとハローワークへの位置づけもその成果の一つであると考えております。
 安定した仕事を持つということは、幸せな区民生活の基礎となるものの一つでございますので、区といたしましても、今後とも力を入れて取り組んでまいる所存でございます。

《質問》

 第七は、放置自転車対策についてです。
 自転車は環境によいと見直されて、通勤・通学、お買い物にと便利に利用されています。その一方で、放置自転車は、障害者の皆さん、高齢者、ベビーカーで歩く親子など、皆さんには危険な状況になることもしばしばで、通行人の妨げにもなります。キンカ堂跡地の周辺や尾久駅前通りの周辺には放置自転車が多くなっており、住民の方から何とかならないのかとの声が寄せられています。
 JR尾久駅隣の北区自転車置き場は、圧倒的に荒川区民が利用しており、北区には大変お世話になっているところですが、北区の自転車置き場は、利用料は一カ月定期を比べると、北区民は千五百円、北区民以外は二千二百円だそうです。そこで、区民が使いやすく、負担も少ない荒川自転車置き場を駅付近に設置できないでしょうか。また、都電小台駅など都電停留所そばも放置自転車が多くなっています。
 また、自転車整理員さんたちは、安全確保、啓蒙、環境保全に役立っています。一定時間配置することで、町の環境整備にもなります。
 JR尾久駅付近や都電小台駅など必要なところに自転車置き場を設置すること、また、自転車整理員も配置することを求めます。
 これで一回目の質問を終わります。

《答弁》

【緒方清土木部長】
 私から、自転車駐車場に関する御質問にお答えいたします。
 御指摘のとおり、JR尾久駅周辺や都電小台停留所、荒川遊園地前停留所付近におきまして、狭い道路に多くの放置自転車が見受けられ、対応に苦慮している状況にあります。自転車置き場を確保する必要性を感じているところでございますので、引き続き自転車置き場の確保に努力してまいります。
 自転車整理員の配置につきましては、今後、啓発指導員の巡回を検討してまいりますので、御理解のほどお願いいたします。